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金ば盗みよったやろ!

第3回「金ば盗みよったやろ!」メインイラスト

朝昼夕の三食を、母と一緒にとるようにして、 ある日いつものように昼飯を差し向かいで食べてると、 母が不思議そうな顔をして
「なんで昼お前が家に居(お)るとや?」そして「お前、働きに出とる振りして、本当は仕事しよらんとじゃなかとや?」

僕「何ば言いよっとね、ちゃんと仕事しとるよ」

母「んんにゃ、仕事しよる人間がこげんいつも昼に家で飯食うとる筈なか!」

後に思えば、母が知ってる勤め人は父だけで、造船所勤めの父は定時に家を出て定時に帰宅。たまに残業とか酒屋に寄ったりはあっても、昼を家で食うなんて母の常識ではあり得なかったのです。

重ねて母は「働いとらんとに何で飯やオカズば買うてこれるとか。…お前(ワイ)は自分(ウチ)の財布から金ば盗みよっとやろ!」
「こん盗人(ぬすっと)が!」

「何ば言いよっとか!」

思わず怒鳴りかえしていました。

何度かこの「盗人」応酬が続いた事を覚えています。