連載第六回: 力作!ぬりえギャラリー

 第四回で紹介した「大人のぬりえサロン」からは、毎月、素晴らしいデコぬりえ作品が誕生しています。サロンに参加されると、みなさん「もっとやってみたいと」と思うようで、なかには毎回参加されている方もいます。1枚、また1枚と、作品の数が増えるにしたがって、スキルアップしていくんですね。
 今回は、サロンで腕を磨いているひさよさんの作品をクローズアップします。ひさよさんは美術教師からイラストレーターになられ、いってみれば美術の“プロ”ですから、その作品には見応えがあります。それほどデコっていないにもかかわらずゴージャス感を漂わせる仕上がりなのは、効果的に見せる方法を知っているからなのでしょう。
それにしても、大人たちがハマるデコぬりえは、プロまでも巻き込んで――。デコぬりえって、なんかすごいと思いませんか?

「ちょっとおでかけ」 ――大判シリーズ『きいちのぬりえ おでかけ編』より

 ノースリーブのドレスから夏をイメージし、涼しげな画面にしたかったそうです。そこで柑橘系のフルーツの色を思わせる緑色と黄色を組み合わせました。フレッシュなフルーツの香りが漂ってきそうですね。
 全体を同系色でまとめているせいでしょう。すっきりとしてモダンな印象。この作品は、ひさよさんのデコぬりえ第一作目です。
「ぎんのくつ」

「うめのはな」

 七五三のお祝いで晴れ着を着る、七歳ぐらいの女の子をイメージ。そこで、着物の柄に金糸をふんだんに取り入れて派手にしているのです。
 最初に着物の緑色を決め、それに合う着物のハギレを決定してから、ぬり始めたそうです。
 梅の花と七五三のお祝いでは季節が合いませんが、自由な発想で楽しむぬりえの世界ではそれもアリです。
「フラワーガール」

「ぎんのくつ」    ――大判シリーズ『きいちのぬりえ おしゃれ編』より

 12時を告げる鐘が鳴り響き、大急ぎでお城をあとにするシンデレラ。場面は深夜ですから、闇に映える色は何かと考えて、黄色とゴールドのドレスを発想したそうです。確かに、夜を表わす背景のブルーが、きらびやかなドレスを引き立てています。
 キラキラと光る髪やハイヒール、シルバーの色使いも効果的です。
「さくらのもよう」

「さくらのもよう」 ――『THE きいちのぬりえBOOK 着物編』より(図版D)

 若草の緑色とさくらのピンク色で春爛漫を表現しています。ひさよさんの作品で感心するのは、全体的に明るい画面でも、よく見るとそれを抑える色が配置されていて、その対比が見事なのです。
 この作品でいうと、抑えの色は着物のえりから肩にかけての部分。このシブい部分が、濃淡の効いたピンクのたもとをいっそう美しく見せています。
「さくら ちらちら」