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  • 高橋建編集長(小学館 文化事業室)が語る
    週刊『ニッポンの国宝100』の楽しみ方
  • 2017.11
美しいビジュアルと
楽しい解説。
今までにない日本美術の
分冊百科が創刊!
今秋9月に創刊するやいなや、多くの書店で売り切れが続出!
今までの美術書とはひと味もふた味も違う見せ方で日本美術と日本文化の魅力を紹介する小学館ウイークリーブック『週刊 ニッポンの国宝100』の見どころを編集長が語る。
国宝は「国民の宝」
身近な存在なのです
 日本で「国宝」という言葉が生まれたのは今から百二十年前のこと。文化財保護法には「世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるもの」と定められています。美術館や博物館の中にある、なんとなく敷居が高いものというイメージが強いかもしれませんが、実は、「国民の宝」で私たちに身近な存在なのです。
美しいビジュアルと、わかりやすい解説で国宝を紹介する「国宝名作ギャラリー」。
 現在、国宝に指定されているものは、そもそも、国宝になる美術作品をつくろうとしてできたものではなく、誰かのために、目的があってつくられたものなんですよね。たとえば、興福寺の阿修羅像は光明皇后の亡き母・橘三千代の一周忌法会のために造像されたものですし、みなさんご存じのとおり、姫路城も江戸時代は要塞でした。美術も彫刻も工芸も“芸術家”という意識が生まれたのは近世以降のことで、それまでは無名の職人たちが手がけていました。国宝は、人間と人間のつながりのなかで、または時代の要請によってつくられたものなのです。今は、そのことがすっかり忘れられてしまい、形だけが標本のようになってしまいました。博物館に収められているスゴいものだから国宝なのではなく、私たちにとって馴染みが深いものが世界に誇れる宝である、という本来の国宝のあるべき姿、つまりは国宝への親しみやすさを取り戻せたらいいんじゃないか、と企画されたのが『週刊 ニッポンの国宝100』なのです。
ちょっとおせっかいな国宝コラム
高橋編集長が答えます!
国宝Q&A…その一
国宝って何点あるの?
1108点(2017年6月時点)です。
どのように国宝に選ばれるの?
国の文化審議会の人たちの全員一致によって、国宝に選定されます。突然国宝になることはなく、重要文化財のなかから選ばれることがほとんどです。いわば、重要文化財という大関クラスで何年か修行をつんで、横綱=国宝になれるわけです。
国宝に指定されたら、なにか制限があるの?
国外に持ち出すのに許可がいるようになります。海外に転売ができません。国内で転売したときには、申告しなければならず、本来ならば、すべて文化庁が把握しなければならないけれど、いつの間にか、ありかがわからなくなってしまった国宝も実はあるようです。
国宝の魅力を
バラエティ豊かに紹介
『週刊 ニッポンの国宝100』では、毎号二点の国宝を紹介していきますが、今までにない日本美術の分冊百科として、六つの特徴があります。
一、美しいビジュアルとわかりやすい解説
 これまで半世紀以上にわたって、『日本美術全集』など多くの美術書を手がけた小学館のノウハウで、高級美術書と同等の美しいビジュアルを掲載します。わかりやすくて的を射た解説も添えた「国宝名作ギャラリー」です。
二、国宝鑑賞の具体的なノウハウを5ステップで紹介
 教養としての国宝ではなくて、実際に目の前にしたときにどのように鑑賞すればいいのかということを、五つのステップで紹介します。全体やディテール、また漫然と見ているだけでは気づかないようなところに注目することで、国宝を十二分に堪能するための具体的なノウハウを提案。これを読めば国宝鑑賞の達人になれること請け合いです。国宝には、絵画、彫刻、工芸、建築もある。それぞれ当然見方が違ってくるんですよね。全く知識がないかたにも、わかりやすくノウハウを提供します。
三、原寸図版や世界の名宝との比較
 原寸で見たり、世界の名宝との比較をしたりすることによって、国宝の美しさや個性的な部分をクローズアップ。それまで当たり前と思っていたことが、実は当たり前でなかったことがわかる切り口で、あらためて日本美術を見直すことができます。
四、国宝の不思議をひもとく解体新書
 二点の国宝を今までにない切り口で紹介する「解体新書」のページはみなさんに驚かれます。創刊号では阿修羅像の六本の腕を一本ずつフォーカスして解説。このような見方をすることで、それぞれの腕の意味や美しさまでわかります。“風神雷神”もガンダーラ美術から現代まで千八百年にもわたる歴史があり、そのルーツを辿っています。
阿修羅の6本の手を1本1本紹介した創刊号の「解体新書」。
五、国宝を訪ねていこう
 国宝は美術館や博物館で見るだけのものではありません。お寺や建築など国宝がある場所、ゆかりの場所を訪ねていく旅を紹介します。そこでどのように国宝が育まれて、愛されてきたのか。環境そのものを体験してみよう、という提案です。
六、読んで、見て、楽しい連載企画
『週刊 ニッポンの国宝100』の監修者のひとりで、日本美術応援団長でもある山下裕二先生に、将来国宝になるかもしれない作品、なって欲しい作品を紹介していただく「未来の国宝・MY国宝」や、古い写真を通じて国宝の歴史を振り返る「写された国宝」、最新の国宝情報やトリビアを紹介する「国宝ジャーナル」など魅力的な連載も充実しています。
ひっそり見に来てくれるのを
待っている国宝も
 国宝一〇〇点のラインナップは、絵画、工芸、仏像、書、建築など多岐にわたっています。これまで美術書ではあまり取り上げてこなかった刀もラインナップに取り上げました。最近、話題になっている刀剣女子たちに人気がある「名物 三日月宗近」は八号で特集されます。
 また、今年国宝に指定されたばかりの「深大寺 釈迦如来」も五十号で紹介します。長い間、由緒正しい美しい白鳳仏が、広く知られずに実は身近にあった、というのが興味深いですよね。
 このような国宝が全国にはたくさんあるんです。ひっそりと見に来てくれるのを待っている国宝が実はみなさんのご近所にもあるはずです。
 国宝は、日本文化とのつきあい方を教えてくれる教科書のようなものです。充実した内容の『週刊 ニッポンの国宝100』ですが、週刊のコミックのように一週間で読みきれる軽やかさです。「ちょっとおせっかい君」という、実は、日本近代美術の父と呼ばれる岡倉天心をモチーフにしたキャラクターもところどころに登場して、作品のポイントを解説してくれます。ぜひ探してみてください。
ちょっとおせっかいな国宝コラム
高橋編集長が答えます!
国宝Q&A…その二
いちばん古い国宝は?
遺跡、歴史関係の出土品が古いですが、最古のものは紀元前3000年〜紀元前2000年の土偶「縄文のビーナス」です。
いちばん新しい国宝は?
「迎賓館赤坂離宮」。明治42(1909)年創建です。
いちばん小さなものは?
「金印」。一辺2.3センチほどです。
いちばん大きなものは?
建物以外では、奈良の「東大寺大仏」です。像高が14.98メートルあります。
西洋のものもある?
数は多くはありませんが、「ポルトガル国印度副王信書」など南蛮伝来のものなどがあります。
  • 毎週火曜日、大好評発売中!
    『週刊 ニッポンの国宝100』
    小林忠、泉武夫、山下裕二/監修
    価格:創刊号500円、
       2号以降680円(税込)
    創刊号は、特別付録
    「鳥獣人物戯画柄トラベルケース」付
    小学館
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