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BOOK PEOPLE × 本の窓
  • 自著を語る2
    永原律子
    『母親になった猫と
    子猫になりたいフクロウ。
    フクとマリモの子育て日記
  • 2018.2
フクとマリモ、どうしてなかよし?
永原の巻
 鳥と猫がなかよしなんて!? 我が家のコキンメフクロウのフクとスコティッシュフォールドのマリモは出会った瞬間から大のなかよし。その姿に驚く人も多いようです。最初は子猫だったマリモがフクを母親のように慕い、フクは寛大な気持ちでマリモを受け入れていたけれど、マリモが成長するに従って、親友同士のような関係になっていきました。この写真集は、マリモが子猫を出産し、母親らしい表情を見せる一方、フクはどのような変化を見せるのか!? というのがみどころのひとつです。また、生後0日目からの子猫の成長をドキュメンタリー形式で紹介もしています。
 ところで、本書を監修してくださった哺乳動物学者の今泉忠明先生から「猫もフクロウも目から下はほとんど変化しない。だけど、フクちゃんもマリモちゃんも目ヂカラが凄い」と言っていただきました。そう言われて改めてふたりの目を見て、その目ヂカラにうっとりします。ふたりは哺乳類と鳥類。なのに見た目がなんだか似ていて、その決め手が水晶みたいにキレイな目です。
 フクもマリモも黒目の周りの「虹彩」の色がゴールドです。フクは金色の目の小さなフクロウだからコキンメフクロウ。目ヂカラが凄い動物の代表であるフクロウ界の中でも「目」が名前についているフクロウは他にいないように思います。マリモの目の色は毛色に関係して、ゴールドになっているようです。黒目の部分の「瞳孔」は光の量や気持ち(リラックスや緊張)、情報インプット量などで黒目がちになったり、黒目が小さくなったりするのもフクとマリモは同じ。フクとマリモの目は種を超えて似たような瞳孔のシステムを持っていることにも驚きます。
 フクロウはほとんど眼球自体を上下や左右に動かすことができないようで、近くのものを見るときは瞳孔が開き黒目がち、遠くを見るときは目が点になります。「片目だけ黒目がち、片目は目が点」だってできます。そして、もうちょっとよく見ようと頑張るときは首をクルンとかしげて、まさに「?」という様子でターゲットを観察します。
 猫は近くのものにピントを合わせるのが苦手で、七十五センチは離れないとよく見えないといわれています。また、色の認識では赤がイマイチ見えていないみたい。茶トラ猫もキジトラ猫も同じ色に見えているのかもしれません。と、いうことはマリモの目に映るフクはこげ茶に小さな白い水玉模様の猫なのかもしれません。フクを毛づくろいしながらマリモの頭の中では(フクは他の猫と違って、舌触りがバリ硬だけど、まあロン毛と巻き毛の違いみたいなもんでフクも猫なんだろう)と同族を疑っていないように見えます。「フクとマリモ、どうしてなかよし?」。私の場合はふたりとも目が悪くって、お互いさみしがり屋だったからだと考えます。
 言葉や手足を使いコミュニケーションができる種族でもないし、猫同士ほどふたりは会話できていないと思うけど、人間みたいに突然、気まずくなったり嫌いになったりもしない。一緒だとゴールドアイが四つ並んでキラキラキラキラ。その目ヂカラを眺めながら日本人代表らしい細目族の私は今日もうっとり。ふたりの輝く瞳と深い愛に憧れています。
  • 『母親になった猫と
    子猫になりたいフクロウ。
    フクとマリモの子育て日記
    永原律子/著
    小学館・刊
    定価:本体1,200円+税
    A5判 112ページ
    大好評発売中
    ISBN 978-4-09-388589-8
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