銀行員の7割が失業!? フィンテック上陸で金融界に激震が走る

 米シティバンクは、フィンテック(金融テクノロジー。「ファイナンス」「テクノロジー」を合わせた造語)の影響で今後10年間に3割が失職すると予測している。証券大手のゴールドマン・サックスでは、2000年に600人いた株式トレーダーが運用プログラムに代替され、今ではたった2人になっているという。

 そのフィンテックによる効率化の嵐が、いよいよ日本を襲おうとしている。

 『銀行員大失業時代』(小学館新書)の著者・森本紀行氏は言う。
「日本の銀行は、リーマンショック後の世界的金融危機にも大きな影響は受けず、人員もシステムも旧態依然としたままでした。銀行員は銀行にすがり付いてさえいれば、恵まれた待遇を享受できたのです。そんな金融界にフィンテックが本格的に普及すれば、失職する銀行員は3割では済みません。最低5割、場合によっては7割の銀行員は淘汰されるのではないでしょうか」

 衝撃的な予測だが、実際、駅前支店を考えてみてほしい、と森本氏。案内係、振り込みや預金の窓口、個人の融資担当アドバイス、現金出納などの後方業務……人工知能やロボットアドバイザーが普及し、PCやスマートフォンでの手数料の安い決済や振り込みが一般的になれば、不要になる職種ばかりだ。かつて銀行の支店があったところに残るのはATMの機械だけ、場合によってはそれさえも駅やコンビニのATMに代替される時代が遠くない将来にやってくる。

 さらに、金融庁は顧客本位の業務運営を銀行に強く求め、それに対応できない銀行は淘汰されていく市場メカニズムが必要という姿勢を打ち出している。バブル崩壊と不良債権処理以降、国に守られ、自行の利益優先の“安定経営”をしてきた銀行そのものも、時代の変化に対応できなくなったところは消え、あるいは姿を変えていくだろう。

 ぬるま湯に浸かり、顧客の利益より組織優先で仕事をしてきた銀行員に未来はないのは明らかだ。そして、これは金融エリートだけの問題ではない。金融システムが効率化され、便利になればなるほど、それに伴う新たなリスクや不安が生じる。大切な資産を人工知能に任せきりでいいのか、本当に自分の利益になるアドバイスをしてくれているのか……。フィンテックの時代には、国民も自分のお金をどう考え、活用していくのかという金融リテラシーが求められるのである。


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