「新宿鮫」とは真逆の新たなヒーローが誕生!!
大沢エンタメ史上ぶっちぎりのサスペンス巨編

【担当編集者の新刊のおすすめ情報】

 

撮影:塔下智士

 

 編集者としての会社人生を引き算で考え始めた時、もう一度仕事をしたい作家の方がいました。直木賞作家の大沢在昌さんもその一人です。

 大沢さんとのお付き合いは「天牙てんきば」シリーズ(『天使の牙』『天使の爪』)の週刊誌連載の頃からなので、もう半世紀以上になります。

「ザイショーさんとの最後の仕事になるかもしれない。天牙シリーズの第3弾を読みたい」とお願いしたところ、「天牙より書きたい物語がある」ということで快諾していただいた作品が『俺はエージェント』です。当時、私が編集人を務めていた小説誌「STORY BOX」(2014年1月号~2017年4月号)で、3年間にわたって連載した長編小説です。

 物語は下町の居酒屋にかかってきた一本の電話から始まります。――それは23年ぶりに復活した、あるエージェント組織の極秘ミッションでした。

 主人公はスパイ小説好きのフリーター青年・村井。元凄腕エージェントだったという常連客の白川老人と行動することになり、敵対する組織の殺し屋たちに命を狙われるはめに。それだけではなく、このミッションに絡んでくる女性たちによって、男のプライドがボロボロにされてしまうのです。大沢作品の主人公としては珍しいキャラクター設定で、「新宿鮫」とは真逆の新たなヒーロー(?)の誕生です。

 この、年齢差四十歳以上の“迷コンビ”が、時にぶつかり合いながら巨悪組織の正体を暴いていくのですが、核心に近づくにつれて村井自身もまた追いつめられてしまいます。生きのびるためには、味方すら信用できない。裏切り者はいったい誰なのか? 誰が味方で誰が敵なのか、誰にもわからない絶体絶命の危機。逃げ道がどこにもない状況で、村井は人生に絶望しはじめるのですが……。

 うーん、ネタバレになるのでこれ以上は語れません。編集者としては悔しいくらいに展開が予想できず、まさかまさかのどんでん返しの連続でした。

 冒頭の46ページまで読み進むと、物語世界に一気に引き込まれます。最後の1ページを繰るのがもったいない、大沢エンタメ史上ぶっちぎりのサスペンス巨編です。

 

 

 

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小学館

定価  :本体1,800+税

発売日 :2017/12/13