PTA解散!?
完全ボランティアPTAが成功した秘訣とは…?

 

 

 かつて『前例がない。だからやる!』(講談社プラスアルファ文庫)という本が大ヒットしました。アサヒビールを業界トップに押し上げた樋口廣太郎社長(当時)の型破りな考え方をまとめたものです。

 ところが、日本企業の実状をみると前例主義に縛られてしまっているケースが少なくありません。というより、それが大半だといってもいいでしょう。少々の不都合があっても、前例どおりにやっていれば、後ろ指を指されることはないからです。

 子どもが小・中学校に入学するとき、ほとんどの親が加入しているPTAもそのひとつです。「去年はこうしていたから」「いつもこうしているから」という前例主義がまかり通っており、PTAのあり方に疑問を持つ人がいても、変えることは難しいのです。

 でも、新聞記者で自分の子供たちが通う小学校のPTA会長を務めた山本浩資さんは、この旧態依然たる組織を大きく変えることに成功しました。 PTAを主に支えてきたのは女性(母親)です。専業主婦や自営の家庭が多かった時代は、それで十分成り立っていました。しかし、時代が変わって女性の社会進出が進むと、PTA活動が負担になってきます。

 

 「子どもの在学中に、一度は委員をやれといわれた」

 「親の介護があるのに、係を押しつけられた」

 「幼い子がいるのに廃品回収を手伝わされた」

 「PTAを脱会したいのに、やめさせてもらえない」

 

 活動を押しつけられている女性のあいだでは、そんな不満が渦巻いているのです。

 まるでブラック組織並みの強権集団に成り下がっているPTA。そのすべての原因は、「PTAに参加することが義務」であるかのように思われていることにあります。しかしそれは大きな間違い。PTAはボーイスカウトなどと同じ任意団体で、強制力はありません。もちろん、女性がやらなければならないという決まりもありません。

 

 そんななか、山本浩資さんの著書『PTA、やらなきゃダメですか?』(小学館新書)には、参加する人が楽に、楽しく活動できるヒントがぎゅっと詰め込まれています。 彼は、“経営学の父”ドラッカーのビジネス書『マネジメント』にヒントを得て、役員会や委員会を廃止。ボランティアだけでの運営を実現してしまったのです。

 

 「やらないといけない=義務感」

 「やらされている=強制感」

 「やらない人がいる=不平等感」

 

 著者は、これらを払拭することでPTAはよりハッピーなものになると保護者に説いて、義務的なものを撤廃し、前例主義の惰性で続けていた活動をすべて廃止しました。さらには旧態依然たるPTAから、アメリカではPTAの名称よりも一般的な、義務も強制もないPTO【Parent(親)Teacher(先生)Organization(団体)】に脱皮することができたのです。

 

 「ボランティア制にしてしまったら、だれも参加しなくなるのでは?」  そう不安に思うのが普通です。でも、PTAの解散前に企画した「逃走中」(大がかりな「鬼ごっこ」)では、保護者ボランティアが180人も集まりました(子どもは350人参加)。それがきっかけで、完全ボランティア制に踏み切る決意がついたといいます。

 

 著者が起こした「PTA改革」は、子どもを喜ばせつつ、先生も保護者も楽しみながら「できるときに、できる人が、できることをする」まさにPTAの理想型。イヤイヤ参加していたPTAに、楽しみながら参加するきっかけを本書から見つけてみてはいかがでしょうか。

 

 

購入はこちら

 

書名  : PTA、やらなきゃダメですか?

著者  : 山本浩資

定価  : 本体760円+税

発売日 : 2016/02/01

発行  : 小学館

 

  •