「あの一言」が気になって仕方がない… 「気にしすぎ」を治す、たった5つの方法とは?

 

 「Twitter」や「Facebook」、「Instagram」といったSNSが流行し、メールや電話に代わるコミュニケーションアプリ「LINE」など若者に限らずケータイはなくてはならないものとなった。しかし、画面越しのやり取りが多くなったことで、対面の人間関係が希薄になってはいないだろうか。

 会社の上司や取引先、新しく出会った人と連絡先を交換する機会が増えるこの季節。円満な関係を築くために相手のご機嫌を伺い、仕事上の小さなミスや相手にとっては悪気のない既読スルーが気になって、夜も眠れない「気にしすぎ症候群」に陥る人が多いようだ。

 

「そもそもなぜ人は気にしすぎになるのか? ずばり言うと、人間には『リスク回避』という本能があるからです。気にするというのはリスクを感知する(感知しようとする)ことであり、生き延びるためには絶対欠かせない重要な能力なのです」

 

 こう説くのは、東京心理コンサルティングの代表として、コミュニケーション系トレーニングを行っている心理学者の伊東明氏。伊藤氏の著書『気にしすぎ症候群』(小学館新書)は、「気にしすぎ」のメカニズムを解き明かし、その厄介な心理とうまく付き合っていく方法を解説している。本書によれば「気にしすぎ」は5つのステップで改善できるという。

 

ステップ1:気にしている自分に気づく

 気にしている自分を客観的にとらえることで、心の内側から気にしすぎが生まれ、それが自分の周りにどのような影響を及ぼすかという一連のプロセスを把握できる。それだけでも心は落ち着くもの。

 

ステップ2:気にすることを気にしない

 気にしすぎを客観的にとらえると、強迫感や絶望感に陥ってしまう人もいる。それでは気にしすぎを改善するどころか逆効果。同じ状況でも、気にしすぎる人もいれば、まったく気にしない人もいるように「気にしすぎは自分の一種のクセのようなもの」、「文系や理系など人それぞれ得意な分野があるように、一種のタイプのようなもの」と考えるとそれまでは「変えられない」と先入観を持っていた気にしすぎも気にしすぎも変えていきやすくなる。

 

ステップ3:気にしすぎの「時間」と「量」を短縮する

 気にすることを完全にやめるのは不可能なこと。気にする時間を段階的に減らしていくことで、少しずつ気にならなくなっていくという。「気にする時間は60秒限定にする」や「次の駅に着いたら気にするのをやめる」など、目標や標語などの“自分ルール”を設定してみると気にしすぎる時間と量を効果的に減らしていけるという。

 

ステップ4:気にしすぎの思考を止める

 常に結果を求められるスポーツ選手は、ネガティブな思考が働いたとき手首に巻いた輪ゴムをはじいたり、身体の一部をつねったりと刺激を与える「思考停止法」を用いることでネガティブな思考を停止させるという。しかし、この方法は周囲の目を気にする人たちには難しい。

そこで著者がおすすめしているのは、「別のことを考えることで、気にしすぎの思考を止める」という方法。ネガティブな気にしすぎが発生したら、「次の旅行はどこに行こう?」や「今日の夕食は何を食べようかな?」など、考えただけで楽しくなるようなことを思い浮かべると、気にしすぎの思考を頭の隅へ追いやることができる。

 

ステップ5:有効な「気にしすぎ」に切り替える

 気にしすぎる人の傾向として、「身長があと何㎝高ければ」や、「もっと顔立ちが整っていれば」のような、根本的には変えられない事柄に注意が向きがち。そこで「どうすればもっと魅力的になれるか、もっと人に好かれるためには」のような努力することで変えられる事柄に思考を持っていければ、自分のためになることに思考が向くようになる。

 

 思考傾向を変えるというのは簡単なことではない。最初は難しくても、何度か実行していくうちに自然に身につくという。大切なのは自分に合わないと思ったら無理をしないこと。落ち込んだときに大人数でワイワイ楽しく過ごして元気になる人もいれば、1人でゆっくり過ごして元気になる人もいるのと同じことで、気にしすぎを「自分の個性」ととらえて、気軽に対処してみてほしい。

 今回紹介した5つのステップのほかにも本書は、気にしすぎのメカニズムや、「他人の目」が気になる人、「自分はこれでいいのか?」気にしすぎる人など、それぞれの悩みを答えに導いてくれる。できるところから「気にしすぎ」とうまくつきあっていけば、考えても仕方なかったネガティブな「気にしすぎ」を、自分のためになる「有効な気にしすぎ」に変化させることができるはずだ。

 

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書名  : 気にしすぎ症候群

著者  : 伊東明

定価  : 本体720円+税

発売日 : 2015/4/1

発行  : 小学館