歴史から教訓を学ぶ

 東日本大震災から6年がたった。


 あの震災を体験してから、私自身、歴史に対するとらえ方が、ずいぶんと変わったような気がする。


 自然環境と人間の営みの関係を歴史的に考えることが大事だということは、以前から漠然とは考えていたが、震災の体験によって、そうした歴史の見方の大切さを、さらに実感するようになった。


 実はこの連載の企画にあたって、編集者から最初にいわれたのは「震災から日本の歴史をみるという視点で書いてもらえませんか」ということであった。日本列島は古来さまざまな自然災害に見舞われたが、その自然災害に対して、人々がどのように立ち向かい、克服しようとしていったかという通史を書け、というのである。


 しかしそれは私の能力を超える問題である。災害という視点から日本史を通史的に描くという壮大な歴史など書けるはずもない。それにそうした視点から書かれた論文や書籍はすでにたくさん公表されている。私には荷が重すぎるテーマである。


 私自身、この問題に対してまだ体系的にまとめることができないのだが、さしあたり私自身が、自然環境と人間の営みとの関係について、自分が折にふれて調査した歴史資料から考えてみたことを書くのであれば、できそうである。


 相変わらずとりとめのない話になってしまうが、自然環境と人間の営みに関する歴史について私自身が考えていることを、さまざまな歴史資料を素材に書いてみることにしたい。