• 古く蝮をくちばみといった。毒を持つその長虫は、親の腹を食い破って生まれてくるという。戦国時代、非情なまでの下剋上を成し遂げ、「美濃の蝮」と恐れられた乱世の巨魁・斎藤道三。その血と策謀の生涯を、父子の宿命とともに描き出す、花村萬月渾身の新時代小説。


第5回 

前回までのあらすじ 北面の武士の職を失い、妻にも逃げられた松波基宗は、油売りをしながら、まだ乳呑み児だった息子の峯丸(斎藤道三の幼名)を男手ひとつで育ててきた。7歳になり、賢く美しく成長した峯丸は、明応の大火の焼け跡で、…

Continue reading