新刊のご紹介 「正しい」とは何か? 武田教授の眠れない講義

3月13日 発売 「正しい」とは何か? 武田教授の眠れない講義 武田邦彦 大学の授業で伝え続けたダマされない科学的思考力 「寝ぼけた日本」を一刀両断!定価/1,365円(税込)小学館
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本のご紹介 2015年放射能クライシス

4年後に何が起きるのか?注目の科学者が予測する日本の近未来予想図これは「予言の書」ではない!定価1260円 本体1200円 小学館
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<まえがき>

悪夢のような福島原発事故から半年が過ぎ、状況は「第2ステージ」に入りました。事故当時多くの人は「原発」の実態や「放射能」の本当の意味すらわからず、恐怖のあまりパニック状態となりました。そして本来国民を守るべき政府とメディアが流すウソだらけの情報とインターネットなどを通じて伝わってくる情報の洪水の中で、いったい何を信じていいのか、わけがわからなくなってしまったはずです。私のブログにも、すごい数のアクセスがありました。これが第1ステージです。

その後、私からすれば当たり前なことですが、事故当時に予測していたことが次々と表面化し、ウソが暴かれていきました。そして、ある程度の知識が蓄積され、状況分析ができるようになった多くの国民は果たしてこれからどう生きていくべきか、何を選択すればいいのか、それぞれに悩み始めています。これが第2ステージです。

310 万人という尊い同胞の命を失った大東亜戦争の後、日本人は「二度と再び、この過ちは繰り返すまい」と決意し、その1つとして「学問の自由、表現の自由、言論の自由」などを日本国憲法に規定しました。

政府や軍部は時として権力の亡者となり、それに追従する学者やマスコミが現れます。それは一部の利権を追求するものであり、財閥などの餌食になりました。憲法に「学問の自由」「表現の自由」「言論の自由」が明記されたのは、こうした利権やお金で動く人々が自分たちの都合だけを考えて間違った方向に突っ走り、日本国民に大きな災厄をもたらすということが強く認識されたからです。それから50年ほど、つまり、1990年ぐらいまでは大東亜戦争の記憶があり、「日本のために」という魂を持った政治家や学者、マスコミ人が残っていました。でも、それも「二世化」して絶滅したように見えます。

過ぎたことは仕方がない。でも、私たちが将来を正しく予見し、私たちの子孫のためによりよい日本を残すためには、1にも2にも「正しい現状認識」、「正面から事実を見る勇気」、そして「大人らしい冷静で深い考察」が必要なのは言うまでもありません。しかし、東北大震災、福島原発事故の後、日本はすっかり崩壊した姿を見せ、虚偽と口当たりの良い修飾で幻想の社会を描き出しています。2011年9月4日、著者はある関西のテレビ番組で「田畑の上に青酸カリより猛毒のセシウムという物質が散らばっているので、その畑から採れたものは捨てたほうが良い」と発言しました。この発言はたちまち巷間に上り、インターネット大手サイトのニュースのベスト10に入り、大騒ぎとなりました。

実に奇妙です。

私が言ったことは100%事実そのものであり、しかも、新事実でもないのです。

新事実でもないものに社会が驚くというところに現在の日本社会の深い闇があり、それは私たちの将来を危うくするものです。本著はこれから4年後、それはもしかすると被曝によって甲状腺がん患者が出る時期でありますが、日本社会に何が起こるかを事実に基づいて明らかにしようとするものです。最初は事実の確認から入ります。

これだけ情報が豊富な時代ですから、本来なら事実の確認など不要ですが、事実と異なる幻想を振り払っておく必要があるからです。本著を通読することによって、おそらく目の前に何となく漂っている霞が晴れていき、それが「誤報」、「誤った説明」によって自らの頭脳に形作られた幻想の世界であることに気がつき、たちまち透明感を持って未来を見ることができるに違いないでしょう。

平成23年9月8日 名古屋にて       武田邦彦

プロフィール 武田邦彦(たけだ・くにひこ)1943年東京都生まれ。工学博士。東京大学教養学部基礎科学科卒業。その後、旭化成ウラン濃縮研究所所長、芝浦工業大学工学部教授、名古屋大学大学院教授を経て、中部大学教授。世界で初めて化学法によるウラン濃縮に成功し日本原子力学会平和利用特賞を受賞、内閣府原子力委員会および安全委 員会専門委員などを歴任。原子力、環境問題などに関する発言で注目されている。

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